2025/06/19
転職前に知っておきたい!有給休暇のルールと活用術
「有給、ちゃんと使えてますか?」
働き方改革が進む一方で、
- 「そもそも有給って何?」
- 「いつから使えるの?」
- 「全部使えなかったらどうなるの?」
といった基本的な疑問を抱えたまま働いている人は意外と多いです。
このコラムでは、有給休暇の仕組みやルール、取得タイミングから使いきれなかったときの対応まで、いまさら聞けないけど知っておきたいポイントを整理してお伝えします。
自分の働き方を見直すきっかけとして、有給について正しく知って、気持ちよく休む一歩を踏み出してみませんか?
- そもそも有給ってなに?基礎と仕組みをおさらい
- 有給はいつから使える?条件とタイミング
- 有給の日数はどう決まる?勤続年数と雇用形態の違い
- 有給ってどうやって申請するの?ルールとマナー
- 有給を使いきれなかったら?繰越・失効の注意点
- 有給休暇は年5日取得の義務がある
- まとめ
そもそも有給ってなに?基礎と仕組みをおさらい
「有給」とは正式には年次有給休暇といい、働く人が給料を減らされずにお休みできる権利のことです。
これは労働基準法で定められており、会社や業界に関係なく、一定の条件を満たせば誰にでも与えられます。
有給休暇のポイントはこの2つ
- 年に決まった日数、会社から休む権利をもらえる
- 休んでも、その日の給料は全額支払われる
つまり、有給は「会社の好意」ではなく、「法律で保障された労働者の権利」。体調不良、家庭の事情、リフレッシュなどの理由にかかわらず使うことができます。
制度としての目的は、働く人の健康や生活の質を守ることです。しっかり休むことで、仕事のパフォーマンスも上がると考えられています。
有給はいつから使える?条件とタイミング
有給休暇は「入社したらすぐに使える」というわけではありません。使えるようになるためには、法律で定められた2つの条件を満たす必要があります。
有給が使えるようになる条件
- 入社してから6か月が経過していること
- その6か月間で、出勤率が8割以上あること
この2つをクリアすると、最初の年次有給休暇が自動的に付与されます。条件を満たした日から使えるようになります。
たとえば——
4月1日に入社した場合、10月1日には条件を満たすことになり、この日から有給を取得できるようになります。
パートやアルバイトも対象になる?
週の労働日数や時間が少なくても、有給は発生します。
具体的な付与日数は働く日数に応じて変わりますが、「正社員じゃないから関係ない」というわけではありません。
有給の日数はどう決まる?勤続年数と雇用形態の違い
有給休暇の日数は、入社してからの勤続年数と、週に何日働いているか(雇用形態)によって決まります。
正社員の場合
入社後6か月で10日間の有給が付与され、その後は勤続年数に応じて毎年増えていきます。
以下は、正社員の有給付与日数です。
→ 最大で年間20日まで付与されるようになります。
パート・アルバイトなど短時間勤務の場合
週の労働日数や、年間の勤務日数に応じて、有給日数は比例付与されます。
以下は、パート・アルバイトの有給付与日数です。週の勤務日数によって有給日数が変わります。
→ フルタイムでなくても、働き続けることで有給は着実に増えていきます。
育休・産休・介護休業中の社員の場合
育児休業、産前産後休業、介護休業の期間も有給は通常通り付与されます。これは、労働基準法上、出勤したものとみなされるからです。
たとえば、勤続3年目の社員が1年間の育児休業を取得して復帰した場合でも、育休中も出勤扱いとなるため、4年目の社員として有給休暇(例:16日)が付与されます。
有給ってどうやって申請するの?ルールとマナー
有給休暇は法律で認められた労働者の権利ですが、職場でスムーズに取得するには、ちょっとした“ルール”と“マナー”も大切です。
ただ「自由に取っていい」だけではない現実的なポイントを押さえておきましょう。
原則:有給は“いつ取得するか”を自分で決められる
労働基準法では、有給をいつ取得するかは労働者が指定できることになっています。つまり、「来週金曜日に有給を取ります」と申請するのは基本的に自由です。
ただし、会社には「時季変更権(じきへんこうけん)」という制度があります。これは、その日に休まれると業務に大きな支障が出る場合に限り、会社側が取得日を変更できる権利です。
➡ とはいえ、これはあくまで例外。日程をずらすにしても、きちんと話し合いの上で決まるものです。
申請の基本ルール
- できるだけ早めに伝える(業務調整のため)
- 口頭よりも書面やシステムで残すのが基本(社内ルールに従う)
- 直属の上司にまず報告・相談する(社風によっても重要視される)
よくある社内の申請手順(例)
- 上司に口頭で事前相談
- 勤怠システムや申請フォームで正式申請
- 承認後、業務引き継ぎなど必要対応を済ませる
職場で“気持ちよく”有給を取るマナー
- 忙しい時期やチームの繁忙状況には配慮を
- 引き継ぎや事前共有をしっかり行う
- 急な休みが必要なときも、事情を簡潔に説明すると◎
➡ 「権利だから当然!」という態度ではなく、「円滑な仕事のために配慮もしながら休む」姿勢が信頼につながります。
半日や時間単位有給が認められる場合もある
有給休暇は通常「1日単位」で取得するものですが、会社の制度によっては「半日」または「時間単位」での取得が認められている場合もあります。
こうした制度の有無は会社によって異なるため、自分の職場で利用できるかどうか、就業規則や人事担当に確認してみましょう。
有給を使いきれなかったら?繰越・失効の注意点
有給休暇は、せっかく与えられた権利ですが、使わないままだと消えてしまうこともあるので注意が必要です。
有給休暇の有効期限は2年間
有給休暇は、付与された年に使いきれなくても、翌年度に繰り越して利用することができます。法律で、付与された日から2年間が有効期限と定められています。
2年を過ぎると使わなかった分は消滅(時効)してしまいます。
有給休暇の日数には上限がある(最大40日)
有給休暇には保有できる上限があり、最大で40日までとされています。
付与された有給は2年間有効で、翌年度に最大20日まで繰り越すことが可能です。
そのため、保有できる日数は以下のようになります。
⇨ 当年分(最大20日)+ 繰り越し分(最大20日)= 合計40日
40日を超えて使わずに残っている分は自動的に失効してしまうため、計画的に取得することが大切です。
退職時の有給消化について
退職前にまとめて有給休暇を取得する「有給消化」を希望する人は多くいます。
ただし、会社によっては取得を拒否されたり、トラブルになるケースもあるので、事前に会社と相談・調整することが重要です。
ちなみに、有給は「出勤日(本来働く日)」に対して使うものなので、公休(土日祝など)とは別にカウントされます。
有給休暇は年5日取得の義務がある
実は、有給休暇には「年間で最低5日間は必ず取得しなければならない」というルールがあります。これは2019年4月から施行された働き方改革による制度変更です。
それまでは有給の取得は労働者の自由でしたが、現在は企業に対して有給取得の促進義務が課されています。
ただし、この5日間の取得義務が適用されるのは、年間で10日以上の有給休暇が付与される人に限られます。
正社員:入社6ヶ月後から対象
パート・アルバイト:
週3日勤務の場合:5年6ヶ月以上勤務
週4日勤務の場合:3年6ヶ月以上勤務
労働者は自分の有給日数と取得状況を確認し、年5日の取得義務を意識して計画的に休暇を取ることが大切です。
まとめ
有給休暇は、誰にでも与えられた大切な権利です。
でも、「よくわからないまま何となく使わない」「気まずくて言い出せない」といった理由で、せっかくの制度を活かせていない人も少なくありません。
自分の力を十分に発揮し、良いコンディションで長く働き続けるためには、しっかりと休息を取ることも大切です。
今回ご紹介した内容を参考に、有給休暇を上手に活用していきましょう。
【参考文献】
株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。
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