2025/09/10投稿者:スタッフ

介護保険って何?働く世代こそ知っておきたい基礎知識

仕事をしていると、給料からさまざまな保険料が差し引かれますが、その中に「介護保険料」が含まれていることをご存知でしょうか?

 

実は、介護保険料の支払いは40歳を過ぎると自動的に始まり、健康保険と同じように給与から天引きされます。

 

意識せずに支払っている人も多いかもしれませんが、自分のお金がどこに使われているのかを知っておくことは大切です。

 

そこで本記事では、介護保険の基本的な仕組みについて解説します。

 

 

 

目次

そもそも介護保険とは?

介護保険サービスを受けられる人とは

介護保険の支払いは40歳からスタート

介護保険では何ができる?

【参考までに】介護休業給付とは?

まとめ

 

 

そもそも介護保険とは?

介護保険は、2000年(平成12年)にスタートした「社会全体で高齢者の介護を支える仕組み」です。

 

少子高齢化が進む中で、「家族だけで介護を抱えるのは限界がある」とされ、国が中心となって制度化されました。

 

簡単に言えば、介護が必要になったときに、必要なサービスを“自己負担を抑えて”利用できるようにする仕組みです。

 

いまあなたが払っている介護保険料は、現在サービスを受けている高齢者のために使われています。



介護保険サービスを受けられる人とは

介護保険は、40歳以上の人すべてが加入対象(被保険者)となる制度です。

 

年齢によって対象となる範囲や条件が少し異なります。

 

【第1号被保険者】65歳以上の人

65歳以上になると、原因にかかわらず介護や支援が必要になったときに、介護保険のサービスを利用できます。

 

利用対象となるのは、次のような状態です。

  • 寝たきりや認知症などにより、日常生活に介護が必要な「要介護状態」
  • 家事や身の回りのことに一部支援が必要な「要支援状態」

 

【第2号被保険者】40~64歳の人(医療保険に加入している人)

この年齢層では、加齢に伴う特定の病気が原因で介護や支援が必要になった場合に、介護保険のサービスを受けることができます。

 

特定疾病は次の16種類です。

  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • 脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など)
  • 初老期における認知症
  • パーキンソン病(関連疾患含む)
  • 脊髄小脳変性症
  • 多系統萎縮症
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 慢性関節リウマチ
  • 糖尿病性神経障害・腎症・網膜症
  • 骨折を伴う骨粗しょう症
  • 両側の股関節または膝関節の重度変形性関節症
  • 脊柱管狭窄症
  • 後縦靭帯骨化症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症
  • 末期がん

 

※介護給付や予防給付のサービスを利用するには要介護(要支援)認定を受ける必要があります。



介護保険料の支払いは40歳からスタート

40歳になると、誕生日を迎えてその月から、自動的に介護保険料の支払いが始まります。

 

健康保険と同様に、給与から天引きされているので、気づかない人も多いかもしれません。

 

この介護保険料、支払っているのは個人だけではありません。

実は、企業が半分を負担し、残りは国や自治体が支援するという、「個人・企業・公的機関」の3者で支える仕組みになっています。



介護保険では何ができる?

 

介護保険で受けられるサービスは、大きく分けて2つです。

  • 在宅介護サービス:訪問介護(ヘルパー)、訪問看護、デイサービスなど
  • 施設介護サービス:特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など

 

最近は、「できるだけ自宅で暮らしたい」という希望に応えるために、在宅支援のサービスが充実しています。

 

買い物や食事の支援、入浴介助、リハビリなど、必要に応じたサービスを組み合わせて利用できます。



【参考までに】介護休業給付とは?

介護に関する制度として、介護保険とは別に「介護休業給付」という制度があります。

 

これは、雇用保険の制度であり、仕事と介護を両立させるために設けられたものです。

 

介護休業給付は、条件を満たす介護休業を取得した場合に、同じ家族につき最大93日まで(3回まで分割取得可)支給されます。

 

介護サービスの費用を支援するものではなく、仕事を休んだときの生活をサポートする仕組みです。

 

まとめ:介護保険は、誰にとっても知っておきたい制度

 

介護保険というと、「将来、年を取ったときに使うもの」と思われがちですが、実際には40歳から保険料の支払いが始まり、私たちの生活にすでに関わっています。

 

また、家族の介護が突然必要になることもあり、そんな時に介護保険の仕組みを知っているかどうかで、対応のしやすさは大きく変わります。

 

仕事と生活の両立を考えるうえでも、ぜひ知っておきたい知識です。

 

 

 

 

参考文献

 

 

**筆者プロフィール**

株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。