2026/05/07
管理栄養士の職場は人手不足?5つの原因と解決方法
管理栄養士として働く中で、「人手が足りない」と感じる場面はありませんか?
求人を出してもなかなか応募が来なかったり、現場の負担が増え続けていたりと、同じ悩みを抱えている方は少なくないはずです。
実際、特に給食業界では人手不足が深刻化しており、現場の負担は年々大きくなっています。
この記事では、管理栄養士の職場における人手不足の現状や、その背景にある原因、そして具体的な対策までわかりやすく解説します。
「このまま働き続けて大丈夫だろうか」と不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
・管理栄養士の職場が人手不足になる原因5つ
・人手不足を解消するための解説策
・まとめ:人手不足は今後も続く課題
管理栄養士の職場が人手不足になる原因5つ
近年、管理栄養士が働く現場では人手不足が深刻な課題となっています。なかでも給食施設ではその傾向が強く、慢性的な人員不足に悩まされている職場も少なくありません。
人手不足の原因は主に以下の5つが挙げられます。
・離職率が高い
・業務内容が過酷になりやすい
・給与水準が低い
・人間関係のストレスが生じやすい
・人手不足による負担増の悪循環
離職率が高い
給食業界で人手不足が深刻化している大きな要因のひとつが、離職率の高さです。
厚生労働省の「令和6年雇用動向調査結果」によると、給食業界を含む「宿泊業・飲食サービス業」の離職率は、正社員で18.1%、パートでは29.9%となっています。
全産業平均の離職率が14.2%であることを踏まえると、約4〜16%ほど高い水準にあり、離職が多い業界であることがわかります。
特に給食業界はパートタイム労働者の割合が高いため、パートの離職率が約30%に達している点は、人手不足を加速させる大きな要因のひとつといえるでしょう。
業務内容が過酷になりやすい
給食業界で人手不足が進む背景には、厨房業務の負担が大きく、過酷になりやすい点も挙げられます。
実際の現場では、▼以下のような理由から身体的なきつさを感じやすい仕事です。
・立ちっぱなしの作業が多く、身体への負担が大きい
・大量調理のため、重いものを扱う力仕事が多い
・厨房内は高温多湿になりやすい
・冷蔵・冷凍庫での作業など、低温環境との行き来がある
・シフトによっては長時間労働になることもある
こうした厳しい労働環境が影響し、仕事が長続きしないケースも少なくありません。
実際に私が給食施設で働いていた際、入社1~3日で離職してしまう人もいました。
給与水準が低い
給食業界で人手不足が続く要因のひとつに、給与水準の低さがあります。
一般的に、他業種と比べて賃金が高いとは言いにくく、正社員よりもパートスタッフの比率が高い点も特徴です。
特にパートスタッフの場合、時給は最低賃金と大きく変わらない水準にとどまることも多く、仕事内容の負担に対して見合っていないと感じられやすい傾向があります。
こうした賃金面の課題は、人材の確保や定着を難しくし、結果として業界全体の人手不足をさらに深刻化させる一因となっています。
人間関係のストレスが生じやすい
給食業界で人手不足が起こる背景には、人間関係のストレスが生じやすい点も挙げられます。
調理現場では、限られた時間で大量の業務をこなす必要があり、常に時間に追われやすく、現場全体がピリピリとした雰囲気になりやすい傾向があります。
こうした環境では、ちょっとした行き違いがトラブルに発展したり、口調が強くなってしまう場面も少なくありません。
こうしたストレスが積み重なることで職場の雰囲気が悪化し、結果として離職につながるケースも見られます。
人手不足による負担増の悪循環
給食業界の人手不足をさらに深刻化させている要因として、「人手不足が新たな人手不足を生む」という悪循環があります。
例えば、新人が入社しても、現場に指導できる余裕のあるスタッフが不足しているため、十分な研修や引き継ぎが行われないまま業務を任されるケースがあります。その結果、新人は不慣れな状態で仕事を進めることになり、精神的・身体的な負担を強く感じやすくなります。
こうした状況が続くと定着率が下がり、さらなる離職を招いてしまいます。その結果、残されたスタッフの負担が増え、また人手不足が進行するという悪循環が生まれてしまうのです。
人手不足を解消するための解説策
人手不足を解決するための解決策として、以下のような解決策が挙げられます。
・現場環境の改善
・多様な人材の雇用
・調理工程の効率化(新調理システム)
現場環境の改善
まず重要なのは、現場環境そのものの見直しです。採用を強化しても、職場環境が改善されなければ早期離職が続き、人手不足は解消されません。
そのため、離職の原因となっているポイントを特定し、根本的な改善を行うことが必要です。
主な改善策としては、▼以下のようなものが挙げられます。
・人間関係の改善(特定の人物に依存した職場構造の見直しや、コミュニケーション環境の調整)
・人材育成の強化(個々のスキル差を埋め、戦力化できる教育体制の整備)
・マニュアルの整備(業務の標準化による教育負担の軽減と早期戦力化)
・業務効率化(ムダの削減や業務フローの見直しによる負担軽減)
こうした取り組みによって「辞めにくい職場」をつくることが、人手不足解消の第一歩となります。
多様な人材の雇用
人手不足を解消するためには、採用の対象を広げていくことも重要な対策のひとつです。
特定の層に限定するのではなく、高齢者や外国人労働者など、多様な人材を受け入れることで、職場の戦力を確保しやすくなります。
実際に給食業界では、近年外国人スタッフの採用が増えており、現場を支える重要な人材として活躍するケースも多く見られます。
適切な教育体制を整えることで、経験や背景に関わらず即戦力として活躍できる環境づくりが可能になります。
私が勤務していた給食会社でも、人材不足への対応として外国人採用を積極的に進めていました。
調理工程の効率化(新調理システム)
人手不足への対策として、調理工程そのものを見直し、効率化を図ることも有効です。
クックチルや完全調理済み食品などの新調理システムを導入することで、高度な調理技術を必要とする工程や、早朝からの仕込み作業を大幅に削減できます。
実際に近年では、クックチルやニュークックチルを導入する給食施設も増えており、少人数でも安定した食事提供が可能な体制づくりが進んでいます。
▼クックチル・ニュークックチルについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ:人手不足は今後も続く課題
この記事では、管理栄養士の職場における人手不足の現状や、その原因、そして具体的な解決策について解説しました。
人手不足に悩んでいる方も多いと思いますが、課題の背景を正しく理解し、職場ごとに必要な対策を見極めて取り組むことで、状況を改善できる可能性は十分にあります。
それでも改善が難しい場合は、働く環境を見直すことも一つの選択肢です。転職によって職場環境が大きく改善するケースも少なくありません。
当社では、管理栄養士向けの求人を非公開求人も含めてご紹介しています。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。
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