2025/05/27
医療業界の残業って実際どうなの?固定残業・みなし残業の仕組みまで解説!
医療業界で働く方にとって、「残業」は切っても切り離せないテーマではないでしょうか?
「定時で帰れたことがない」
「申送りが長引いて気づけば2時間超え」…
そんな声も多く聞かれます。
でも実は、法律上のルールを知っておくことで、無理なく働ける職場を見極めるヒントになるんです。
この記事では、医療業界の残業時間の現状や、知っておくべき労働ルール、さらによくある「固定残業代」「みなし残業」についても解説します。
医療業界の残業時間の現状
厚生労働省のデータによると、医療業界は全体的に残業が多い傾向にあります。
とくに病院勤務の看護師や医療事務スタッフなどは、急な患者対応やシフト調整により、予定外の残業が発生しやすいのが現状です。
以下は、令和6年賃金構造基本統計調査からの各職種の残業時間の平均(月)です。
上記の時間と比べて残業が多ければ「平均より残業が多い職場」、少なければ「平均より残業が少ない職場」の目安になります。
残業の基本知識
そもそも残業時間とは?
残業時間とは、法定の労働時間(原則:1日8時間、週40時間)を超えて働いた時間のことを指します。
たとえば、1日に9時間働いた場合、そのうちの1時間が「残業時間」となります。
この残業時間については、法律により割増賃金(残業代)を支払うことが義務づけられています。
残業代は“時給の1.25倍以上”ってホント?
残業代は、法律で通常の時給の1.25倍以上と定められています。
たとえば、時給1,600円の人が1時間残業した場合、残業代は2,000円になります。
なお、深夜(22時~翌5時)や休日の労働には、さらに高い割増率(1.35倍〜1.5倍など)が適用されます。
実は制限アリ!残業はどれくらいまでOK?
働き方改革関連法により、残業の上限は原則として「月45時間、年360時間」と定められています。
ただし、業務上どうしても必要な「特別な事情」がある場合には、特別条項付きの労使協定(36協定)を結ぶことで、以下の時間まで延長が認められます。
・月100時間未満
・2~6か月平均で月80時間以内
※なお、月45時間を超えられるのは年6回までという制限もあるため、常態化している職場には注意が必要です。
“タイムカード切ってから仕事”…それ、違法です。
いわゆる「サービス残業」は、法律違反です。
法定の労働時間を超えて働いた場合、会社には必ず残業代を支払う義務があります。
「タイムカードを先に切ってから片付ける」
「残業申請しにくい雰囲気だから申告しない」…
こうした慣習があったとしても、それを理由に未払いにすることはできません。
固定残業代とは? ― 「あらかじめ残業代込み」ってどういう意味?
求人票でよく見かける「固定残業代X時間分を含む」という表記。
これは、毎月決まった時間分の残業代が、あらかじめ給与に含まれて支給される制度のことです。
知らずに入社すると「思っていたより残業が多いのに給料が増えない…」ということもあるので注意してください。
例:
月給25万円(固定残業代30時間分/5万円を含む)
この場合、30時間分までの残業代は支給済みという前提ですが、実際の残業が30時間を超えた場合は、超過分を別途支払う義務があります。
注意すべきポイントは、以下のとおりです:
- 固定残業代が何時間分か明記されているか
- 基本給と残業代の内訳が明確か
- 超過分はきちんと支払われるか
曖昧な場合は、ブラックな働き方を強いられる可能性もあるため、面接時に確認しましょう。
みなし残業とは? ― 固定残業代との違いは?
「みなし残業」という言葉も、求人票などで目にすることがあります。
実は、これは固定残業代とほぼ同じ意味で使われているケースが大半です。
「みなし」とは、「あらかじめX時間働いたとみなして、残業代を支払う」という意味。
ただし、その時間を超えた分を払わないのは違法です。
言い換えれば、「固定残業代=みなし残業制」と考えてOKですが、表現が違うだけで、チェックすべき内容は同じです。
ブラック回避!求人票・面接で見るべきポイント
医療系の求人でも「固定残業代含む」といった表記は増えてきています。
そこで、応募前・面接時に確認したいポイントはこちら:
- 固定残業代は何時間分か
- 残業が月にどれくらい発生しているか
- 実際の勤務時間はどのように管理されているか
- 固定残業代の時間を超えたら別途支給されるか
気になる場合は、遠慮せず質問しましょう。
また、不安があれば転職エージェントに相談するのも一つの手です。
まとめ:残業時間の実態を知ることが、納得の転職への第一歩
医療業界では「忙しいのが当たり前」と思われがちですが、働きすぎが当たり前ではない時代になっています。
固定残業代やみなし残業といった制度を理解することで、ブラックな働き方を回避できる可能性が高まります。
転職活動では、制度よりも“実態”を把握することが大切です。
「この職場、本当に自分に合っている?」と考えるきっかけになれば幸いです。
株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。
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