2025/07/15投稿者:スタッフ

退職金とは?転職時に確認すべき制度の種類・相場・税金まとめ

転職活動中に求人票を見ていると、「退職金あり」「退職金なし」といった記載に出会うことがあります。

 

でも正直なところ、「何十年も先の話でしょ?」と思ってスルーしていませんか?

 

実は、退職金の有無や制度の内容は、あなたの将来設計や生活に意外と大きな影響を与えるポイントなんです。

 

特に転職を繰り返す現代では、「退職金=長く働く人のもの」というイメージが変わりつつあり、自分で運用するタイプの退職金も増えています。

 

この記事では、退職金の基本から、制度の種類などをわかりやすく解説します。

 

「退職金なんて自分には関係ない」と思っていた人こそ、ぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

目次
退職金とは?
退職金の支払われるタイミング
退職金の種類2タイプ
退職金の相場
退職金にも税金がかかる?
まとめ

 

退職金とは?

退職金とは、従業員が退職する際に企業から支払われる一時金や年金のことを指します。

 

勤続年数や退職理由、退職時の役職などに応じて金額が決まり、一般的には「長く勤めたことへの感謝」や「退職後の生活支援」として支給されるものです。

 

退職金は義務ではない

意外に知られていないのが、退職金の支給は法律上の義務ではないという点です。

 

つまり、すべての会社が必ず退職金を用意しているわけではなく、企業ごとに制度があるかどうか、あっても条件や金額が大きく異なります。

 

特に中小企業やスタートアップ企業では、制度そのものがない場合も少なくありません。

 

そのため、転職活動中に求人票や面接で「退職金」について、内容をしっかり確認しておくことが大切です。



退職金の支払われるタイミング

退職金は、通常退職後1〜2ヶ月以内に支払われることが一般的です。ただし、企業によって支給のタイミングや方法は異なります。

 

多くの会社では、退職日に退職金額が確定し、その後の給与計算や事務処理を経て1〜2ヶ月後の給与と一緒に支払われるケースが多いです。

 

これは退職金の額を正確に算出するために時間がかかるためです。

 

退職金の種類は2タイプ

退職金には大きく分けて「退職一時金」と「企業年金」の2つのタイプがあります。

 

会社によってはこの両方を組み合わせて支給する場合もあります。

 

退職一時金

最も一般的な形で、退職時に一括してまとまった金額を受け取るタイプです。

 

勤続年数や退職理由に応じて計算され、多くの企業で採用されています。

 

退職一時金は、退職後すぐに生活費や引っ越し費用にあてられるため、急な支出に備えたい人にとって心強い制度です。

 

企業年金

企業年金は、退職後に年金形式で分割して支給される制度です。主に以下の種類があります。

 

確定給付企業年金(DB)

 企業が将来支払う年金額を約束し、その資金を積み立てて運用する制度。退職後、一定額が年金として支給されます。

 

確定拠出年金(DC)

 企業が毎月一定額を掛け金として積み立て、従業員本人が運用方法を選ぶ制度。運用成果によって将来受け取る金額が変動します。

 

企業年金は長期的な老後資金の準備として優れていますが、退職直後にまとまったお金が手元に入らないため、生活費の資金計画に注意が必要です。

 

ちなみに…筆者は、退職一時金と企業年金の両方を経験したことがあります。企業年金は老後の大切な蓄えになる一方で、退職後すぐに資金として活用できない点がデメリットだと感じました。

退職金の相場

退職金は会社の規模感、職種、勤続年数などで大きく異なりますが、ここでは、管理栄養士・介護福祉士・看護師の退職金の相場をご紹介します。

 

勤続年数

管理栄養士

介護福祉士

看護師

3年

約10~30万円

約5~20万円

約10~40万円

5年

約30~60万円

約20~50万円

約30~80万円

10年

約100~200万円

約90~140万円

約200~400万円

20年

約400~600万円

約300~500万円

約450~700万円

※あくまで目安です。

 

勤続年数が短い場合は、退職金が出ない企業もあるため、求人票や面接での確認をおすすめします。

 

一般的には、退職金を受け取るには「勤続3年」を要件とする会社が多い傾向にあります。

 

退職金に税金がかかる?

もらった退職金に税金がかかるかどうか気になる人も多いと思います。

 

実は退職金にも税金はかかります

 

しかし、退職金は一般の給与所得とは異なり、特別な税制優遇があるため、実際に支払う税額は非常に少ないのが特徴です。

 

退職金には「退職所得控除」がある

退職金には「退職所得控除」という大きな控除が適用されます。

 

これは、長く勤めた人ほど多くの控除が受けられる仕組みで、控除額は以下のように計算されます。

 

◆勤続年数が20年以下の場合

 → 40万円 × 勤続年数(※最低80万円)

 

◆勤続年数が20年超の場合

 → 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

 

この控除額を超える金額に対してのみ課税されます。

 

さらに1/2課税で実質負担は軽い

退職金は、控除後の金額をさらに1/2にした額が課税対象になります。これを「1/2課税」と呼びます。

 

たとえば:

勤続30年で退職金1,200万円を受け取った場合

→ 退職所得控除は 800万円+70万円×10年=1,500万円

→ 控除額以下なので 課税なし!

 

このように、退職金は数百万円〜1,000万円以上であっても、実際には税金がかからないか、かかってもごく少額というケースが多くあります。



まとめ:退職金は「安心材料」になる

退職金制度は、働いている間はあまり意識しないかもしれませんが、いざ退職というタイミングで「ある・なし」の差を大きく感じるものです。

 

退職金は「今」ではなく「将来」の話ですが、後になってから「あの時、もっとちゃんと確認しておけばよかった」と思わないためにも、制度の有無や種類を転職活動の中でしっかり見ておきましょう。

 

 

**筆者プロフィール**

株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。