2025/07/03
契約社員とは?正社員との違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説
転職活動をしていると、「この求人、魅力的だけど契約社員か……」と悩むこと、ありますよね。
仕事内容や条件はぴったりなのに、契約社員という言葉に少し引っかかって、応募をためらってしまう。そんな経験をした方も少なくないはずです。
でも、契約社員という働き方を正しく理解すれば、自分のキャリアにとって大きなチャンスにつながる場合もあります。
このコラムでは、「契約社員」とはどのような雇用形態なのか、正社員や派遣社員との違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。
契約社員とは?
契約社員と正社員の違い
・雇用期間の有無
・給与・賞与
・昇進・昇給の機会
・勤務時間・働き方
・社会保険・福利厚生
契約社員と派遣社員との違い
・雇用主の違い
・指揮命令関係
・契約期間・更新
・給与・待遇
・福利厚生・サポート体制
契約社員のメリット
・スキルや経験を活かしやすい
・正社員より採用ハードルが低め
・ライフスタイルに合わせた働き方ができる
・キャリアのステップアップにも使える
・職場を見極める“お試し期間”になる
契約社員のデメリット・注意点
・雇用が不安定になりやすい
・昇給・昇進の機会が限られる
・正社員と比べて福利厚生が限定的なことも
・キャリアの安定性に欠ける可能性がある
・業務の範囲や裁量が限られることも
まとめ:契約社員は柔軟な働き方の一つ
契約社員とは?
契約社員とは、企業とあらかじめ定められた期間の雇用契約を結んで働く社員のことを指します。
一般的に「有期雇用」と呼ばれ、3か月〜1年など、一定期間ごとに契約を更新するスタイルが主流です。
契約期間が終了すると、更新するかどうかを企業と本人の双方で判断します。
契約社員と正社員の違い
契約社員と正社員は、どちらも企業で働く「社員」ではありますが、雇用形態にはいくつかの大きな違いがあります。
代表的な違いを5つのポイントに分けて解説します。
雇用期間の有無
正社員は「無期雇用」であり、原則として定年まで雇用が継続されます。
一方で契約社員は「有期雇用」が基本で、3か月~1年など一定期間の契約を結び、期間満了時に更新または終了となります。
そのため、正社員の方が雇用の安定性は高いといえます。ただし、契約社員でも長期的に契約が更新される場合や、正社員登用制度がある場合もあります。
給与・賞与
給与水準は企業や職種によって異なりますが、正社員のほうが賞与(ボーナス)や昇給が反映されやすいのが一般的です。
契約社員にも賞与を支給する企業はありますが、正社員と比べると金額や支給対象が限定的なケースもあります。
また、契約社員の場合、時給制や月給制のほか、年俸制が採用されていることもあります。
昇進・昇給の機会
正社員には、役職に就くチャンスや昇給の機会が定期的に用意されていることが多いですが、契約社員は原則として昇進・昇給の対象外となるケースがほとんどです。
ただし、一部の企業では評価に応じて給与が見直される場合や、契約社員から正社員へ登用されることでキャリアアップが可能になる場合もあります。
勤務時間・働き方
勤務時間については、契約社員・正社員の間で大きな違いはないケースも多いです。どちらもフルタイムで週5日勤務するパターンが一般的です。
ただし、契約社員は時短勤務や週4日勤務など、柔軟な働き方が選べる求人も存在するため、ライフスタイルに合わせた働き方がしやすいというメリットがあります。
社会保険・福利厚生
契約社員でも、一定の条件を満たせば社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険など)に加入できます。
しかし、福利厚生や社内制度は正社員に比べて限定的なことが多く、住宅手当や退職金制度、研修制度などが適用外となるケースもあります。
一方で、近年は「正社員と同等の待遇」を掲げる企業も増えており、契約社員でも手厚い福利厚生を受けられる職場も増加傾向にあります。
契約社員と派遣社員との違い
「契約社員」と「派遣社員」はどちらも正社員ではない雇用形態で、働き方も似て見えることがあります。
しかし、雇用関係の仕組みや働き方の自由度、待遇面などに明確な違いがあります。
雇用主の違い
最も大きな違いは、「誰と雇用契約を結ぶか」という点です。
・契約社員:実際に働く企業(勤務先)と直接雇用契約を結びます。
・派遣社員:派遣会社(派遣元)と雇用契約を結び、派遣先の企業で働きます。
つまり、派遣社員は「働く場所」と「雇用主」が異なるという特徴があります。
指揮命令関係
・契約社員:勤務先企業の社員として、社内の上司から指示を受けて働きます。
・派遣社員:勤務先の担当者から業務の指示を受けますが、雇用主はあくまで派遣会社であり、労務管理(契約・給与・福利厚生など)は派遣会社が行います。
このため、トラブルがあった場合の相談先なども異なります。
契約期間・更新
どちらも基本的には有期雇用で、3か月~1年ごとの契約更新が一般的です。ただし、以下の違いがあります。
・契約社員:更新回数や勤務期間の上限が企業によって柔軟に決められることもあります。
・派遣社員:派遣法の規定により、同一の部署で最長3年までという上限が設けられています。(例外あり)
給与・待遇
・契約社員:給与は、月給・年俸制など企業によってさまざまです。賞与や昇給がある場合もあります。
・派遣社員:給与は、時給制が一般的で、派遣会社が決定・支給します。賞与や昇給は基本的にありませんが、派遣先や派遣会社によって異なる場合もあります。
福利厚生・サポート体制
・契約社員:勤務先企業の社員扱いとなるため、その企業の福利厚生制度(社会保険、交通費支給、社内制度など)が適用されることが多いです。
・派遣社員:派遣会社が用意する福利厚生制度が適用されます。スキルアップ講座やキャリア相談など、派遣会社独自のサポートがある場合もあります。
契約社員のメリット
契約社員という働き方には、不安定というイメージが先行しがちですが、実は状況や目的によっては大きなメリットもあります。
ここでは、契約社員として働くことの主な利点を紹介します。
スキルや経験を活かしやすい
契約社員は、企業が即戦力を求めて採用するケースが多いため、自分の専門スキルや業界経験を活かしやすい環境です。
正社員のような総合職ではなく、特定の業務に特化したポジションでの採用が多いため、「これまでの経験を活かして働きたい」「得意分野に集中したい」という方には適しています。
正社員より採用ハードルが低め
契約社員は「まずは短期間での勤務から」という形での採用になるため、正社員よりも採用のハードルが低い傾向があります。
職務経験が浅い人や、ブランクがある人、異業種からの転職など、キャリアに不安がある人にとっても、チャレンジしやすい選択肢のひとつです。
ライフスタイルに合わせた働き方ができる
契約社員の求人には、時短勤務・週4日勤務・在宅勤務OKなど、柔軟な働き方を選べるものもあります。
育児や介護、趣味や副業など、ライフスタイルに合わせて働き方を調整したい人にとっては、正社員よりも自由度が高いことがあります。
キャリアのステップアップにも使える
企業によっては、契約社員を登用の前段階と考えている場合もあり、「まずは契約社員から始めて、実績を評価したうえで正社員に登用」というパターンも存在します。
いきなり正社員になるのが難しい場合でも、契約社員として実績を積むことでキャリアアップにつなげることが可能です。
職場を見極める“お試し期間”になる
有期契約であるため、職場環境や仕事内容が自分に合っているかを見極めやすいというメリットもあります。
正社員と違って転職時のハードルが低いため、「自分に合う職場を探したい」「さまざまな職場を経験したい」と考える人には向いている働き方です。
契約社員のデメリット・注意点
契約社員にはメリットも多くありますが、一方で注意しておきたい点やデメリットも存在します。
働き始めてから「こんなはずじゃなかった」とならないよう、事前に把握しておくことが大切です。
雇用が不安定になりやすい
契約社員は「有期雇用」のため、契約期間が終了すれば、契約が更新されない可能性があります。
業績や人員計画など、会社側の都合で更新が見送られることもあるため、常に契約終了のリスクがあるという点は正社員と大きく異なります。
昇給・昇進の機会が限られる
契約社員は、正社員のような定期昇給や昇進の制度が適用されないケースが一般的です。
同じ仕事を長く続けていても、給与や役職が変わらないことが多く、「長期的なキャリア形成」や「収入の伸び」を重視したい人には物足りなさを感じることもあります。
正社員と比べて福利厚生が限定的なことも
契約社員でも条件を満たせば社会保険に加入できますが、退職金や住宅手当、社内研修制度など、一部の福利厚生は対象外になることが多いです。
とくに中小企業や短期契約では、制度が最小限にとどまる場合もあるため、事前に確認が必要です。
キャリアの安定性に欠ける可能性がある
有期契約を繰り返す働き方では、数年ごとに転職を繰り返すことになる可能性があります。
職歴が増えすぎると、転職時に「なぜ定着しなかったのか」と見られることもあるため、将来的に不利になるケースもある点に注意が必要です。
業務の範囲や裁量が限られることも
契約社員は即戦力として採用されることが多い反面、業務の範囲が限定されていたり、責任のある仕事を任せてもらえなかったりすることもあります。
「もっと仕事の幅を広げたい」「自分の意見を反映させたい」という人にとっては、やや物足りなく感じる可能性があります。
まとめ:契約社員は柔軟な働き方の一つ
契約社員という働き方には、正社員と比べて雇用の安定性や昇進・昇給の面で制限がある一方で、スキルを活かして即戦力として働けることや、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができることなど、さまざまなメリットもあります。
特に、「まずは現場で経験を積みたい」「フルタイムで働きつつ、自由度のある雇用形態を選びたい」と考える方にとっては、契約社員という選択肢は十分に前向きなものと言えるでしょう。
大切なのは、「契約社員だから不安定」と一括りにせず、自分に合った働き方かどうかを冷静に見極めることです。
求人ごとの条件や働き方をしっかり確認しながら、納得のいくキャリアを築いていきましょう。
株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。
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