2025/07/18投稿者:スタッフ

転職する前に知っておきたい雇用保険の基礎知識

転職や離職は誰にとっても大きな人生の転機。

 

そんな時に頼りになるのが「雇用保険」です。

 

しかし、雇用保険の仕組みや申請方法を知らずに損をしてしまう人も少なくありません。

 

本記事では、雇用保険の基本から加入条件、主な給付内容、申請の流れまでをわかりやすく解説します。

 

転職をスムーズに、そして安心して進めるために、ぜひ参考にしてください。

 

 

 

目次

雇用保険とは?

・雇用保険の加入条件

雇用保険の主な給付の種類(転職時)

・基本手当(失業給付)

・再就職手当

・教育訓練給付金

失業給付の基礎知識(基本手当)

・失業給付の受給条件

・失業給付の給付額と支給期間

・失業給付の申請方法

まとめ

 

雇用保険とは?

雇用保険とは、働く人が失業したときや転職活動中、またはスキルアップのために職業訓練を受ける際に、生活と就職を支えるための公的な制度です。

 

主に、労働者が安心して働き、万が一の離職時にもスムーズに次のステップへ進めるよう支援することを目的としています。

 

キャリアチェンジを支える制度とも言えます。

 

雇用保険の加入条件

雇用保険は、すべての労働者が自動的に加入するわけではありません。

次の2つの条件を満たすことが基本的な加入要件です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用見込みがある

 

正社員だけでなく、パートやアルバイトでもこれらの条件を満たせば加入対象になります。

 

反対に、短期バイトや非常勤の一部には適用されない場合もあります。




雇用保険の主な給付の種類(転職時)

雇用保険には、さまざまな給付制度が設けられており、状況に応じて転職時は以下のような支援を受けることが可能です。

 

基本手当(失業給付)

離職後、就職活動中の生活を支えるための給付。

受給には一定の条件があります。(詳しくは次の項目で解説)

 

再就職手当

雇用保険の基本手当の受給資格がある方が、早期に就職した場合に支給される手当。

就職を前向きに支援する制度です。

 

教育訓練給付金

厚生労働大臣が指定する講座を受講した場合、受講費用の一部が支給される制度。

キャリアアップや再就職に向けたスキル習得を後押しします。

 

このように、雇用保険は「失業時の保険」というだけでなく、「働くこと」全般を支援する仕組みとなっています。

 

転職を考える際には、これらの制度を正しく理解し、うまく活用することが大切です。

 

ちなみに、転職時以外で使える雇用保険には、育児休業給付金や介護休業給付金、高年齢雇用継続給付などがあります

 

失業給付の基礎知識(基本手当)

転職や離職の際にもっとも利用されることが多いのが、「基本手当」と呼ばれる失業給付です。

 

これは、次の仕事が決まるまでの生活をサポートし、安心して再就職活動に取り組めるようにするための制度です。

 

失業給付の受給条件

基本手当を受け取るには、主に以下の条件を満たしている必要があります。

 

  • 雇用保険に過去2年間で通算12か月以上加入していること(会社都合の場合は6か月以上)
  • 離職後、ハローワークで「失業の状態」と認定されること(就職活動をしていること)

 

また、退職理由によって受給のタイミングが変わる点にも注意が必要です。

 

詳しくは、▼こちらの記事で解説しています。

 

 

失業給付の給付額と支給期間

基本手当の金額は、退職前の賃金をもとに計算されます。

 

一般的には、退職前6か月の平均賃金日額の50~80%程度が支給されます(年齢や収入によって変動)。

 

支給される期間は、以下のような要素で90~360日の間で決まります。

  • 年齢
  • 離職時点での雇用保険加入期間
  • 退職理由(自己都合か会社都合か)

 

たとえば、自己都合退職で勤続1年未満の場合は約90日、会社都合で長年勤めていた場合は最長で330日まで延びるケースもあります。

(参照:基本手当の所定給付日数|ハローワーク

 




失業給付の申請方法

雇用保険(基本手当)を受給するには、自分で手続きを行う必要があります

 

会社を辞めたからといって、自動的に失業給付が振り込まれるわけではないため、早めの行動がポイントです。

 

①離職票を受け取る

まずは、退職後に会社から「離職票(1・2)」を受け取ります。

 

通常、退職後1〜2週間程度で郵送されることが多いですが、会社によっては申請が必要な場合もあるため、退職時に確認しておきましょう。

 

② ハローワークへ行く

離職票が手元に届いたら、住所を管轄するハローワークに行きます。

持参する主な書類は以下の通りです。

  • 離職票(1・2)
  • マイナンバーがわかる書類(通知カードやマイナンバーカード)
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 写真(3cm×2.4cm程度、2枚)※マイナンバーカード提示者は写真提出不要
  • 普通預金通帳またはキャッシュカード(振込先登録用)

(参照:雇用保険の具体的な手続き|ハローワーク

 

 

③求職の申し込みをする

ハローワークでは、雇用保険の申請と同時に「求職の申し込み」を行います。これは、「仕事を探している意思がある」ことを示すための必須の手続きです。

 

④雇用保険受給者初回説明会に参加する

雇用保険受給者初回説明会」は、失業手当(基本手当)を受けるために必要な手続きやルールを説明する場です。

 

雇用保険の申請をハローワークで行った後、原則としてこの説明会への出席が求められます。この説明会で「雇用保険受給資格者証」などの必要書類が交付されます。



⑤失業認定を受ける

申請後は、原則として4週間に1回、ハローワークで「失業認定」を受ける必要があります。就職活動を継続しているかなどの確認が行われ、問題がなければその都度、基本手当が支給されます。

 

まとめ

雇用保険は、失業や転職という人生の節目において、金銭面だけでなくキャリアの再スタートを支援してくれる大切な制度です。

 

各種給付は、条件を満たせばパートやアルバイトの方でも受け取ることができます。

 

特に転職を考えている方にとって、生活や次のキャリアに影響することもあるため、準備は早めに始めましょう。

 

自分の状況に合った給付制度をしっかり確認し、上手に活用していってください。



【参考文献】

雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!|厚生労働省

 

 

**筆者プロフィール**

株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。