2025/08/07投稿者:スタッフ

患者給食受託責任者って何?栄養士が知っておきたい資格の魅力とメリット4選

患者給食受託責任者」という資格をご存じですか?

 

管理栄養士や栄養士として働いていると、一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、「実際にどんな資格なの?」「取ったほうがいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

 

実は、この資格については情報が少なく、よくわからないままになっている人も少なくありません。

 

この記事では、実際に患者給食受託責任者の資格を持つ筆者が、資格の内容や取得方法、メリットなどをわかりやすく解説します。

 

資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

 

目次

患者給食受託責任者とは

主な役割と業務内容

資格の取り方・必要条件

患者給食受託責任者を取得するメリット

まとめ

 

 

患者給食受託責任者とは

患者給食受託責任者は、病院や介護施設の給食業務を請け負っている給食会社の中で、食事の栄養・衛生・安全面を管理する責任者です。

 

現場の調理や配膳が適切に行われているかをチェックし、病院や施設の職員と連携しながら、利用者に安心・安全な食事を提供できるようサポートします。

 

この役職には、管理栄養士栄養士が就くことが多く、給食会社の中でも専門的な知識と経験を活かして、医療や福祉の現場を食事の面から支える重要なポジションです。



主な役割と業務内容

患者給食受託責任者の主な役割は、病院や介護施設で提供する食事の安全と品質を守ることです。

 

具体的には以下のような仕事があります。

  • 食事の栄養バランスやメニューの管理
  • 食材の衛生チェックや調理場の安全管理
  • 食中毒などのトラブル防止のための衛生指導
  • スタッフへの教育や指導
  • 病院や施設のスタッフと連携して、患者さんの状態に合った食事を提供する調整
  • 利用者や施設からの要望や苦情の対応・改善

 

これらを通して、安心して食事を楽しめる環境づくりをサポートしています。

 

資格の取り方・必要条件

患者給食受託責任者の資格は、公益社団法人日本メディカル給食協会によって認定されています。

 

資格を取得するには、指定された講習を受講する必要があります。

 

資格取得後は、個人の資格として一生有効であり、転職しても業界でその能力を活かし続けることが可能です。

 

受講資格者

以下のいずれかに該当する方が受講できます。

  • 栄養士の資格を持ち、通算6か月以上患者給食業務に従事した経験がある方
  • 調理師の資格を持ち、通算2年以上患者給食業務に従事した経験がある方
  • 高等学校卒業以上の学歴を持ち、通算3年以上患者給食業務に従事した経験がある方
  • 上記のいずれかと同等以上の技能や学歴があると認められる方

 

基本的には、患者給食業務の実務経験が一定期間必要となります。

 

受講内容

講習では以下の内容を学びます。

  • 患者給食業務委託に関する法規
  • 衛生管理・健康安全管理
  • 栄養・食事管理
  • 業務管理・経営管理および人事管理

 

認定基準

全課程の単位を修了し、各単位ごとの演習問題で60%以上の得点を獲得したうえで、患者給食受託責任者資格認定委員会の承認を受けた方が認定されます。

 

※詳しくは、日本メディカル給食協会のホームページをご確認ください。

 

患者給食受託責任者を取得する4つのメリット

給食会社で長く働きたいと考えている方にとって、患者給食受託責任者の資格は取っておいて損のない資格です。

 

資格を取得することで得られる主なメリットは、以下の通りです。

給食現場での信頼と評価が高まる

この資格を持っていることで、衛生管理や栄養管理に関する知識と意識の高さが証明されます。現場の責任者としての信頼が得られやすくなり、周囲からの評価や期待も高まります。

 

キャリアアップにつながる

患者給食受託責任者は、給食業務を受託する企業にとって重要なポジションです。資格を取得することで、管理職やリーダー職に抜擢されるチャンスが広がります。

 

転職・就職に有利になる

患者給食受託責任者の資格を持っていることで、病院や介護施設などの栄養・給食業務において「即戦力」として評価されやすくなります。

 

現場経験に加えて、専門知識やマネジメント力がある証明にもなるため、就職・転職時の大きなアピールポイントになります。

 

一度取得すれば一生使える資格

この資格は更新の必要がないため、一度取得すればずっと有効です。転職や異動があっても、個人の資格として継続的に活用できるのが大きな魅力です。

 

まとめ

患者給食受託責任者は、給食会社の中で患者さんや入所者の健康を支える大切な役割を担う資格です。

 

資格取得には一定の実務経験が必要ですが、一度取得すれば更新不要で生涯有効。給食現場での信頼向上やキャリアアップ、転職・就職活動でも有利になるなど、多くのメリットがあります。

 

給食業界で長く活躍したい管理栄養士や栄養士の方にとって、患者給食受託責任者の資格は将来を支える強い味方となるでしょう。

 

 

**筆者プロフィール**

株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。