2025/06/10
政府備蓄米の仕組みや役割を分かりやすく解説
最近の米価高騰を受けて、政府が「備蓄米(びちくまい)」の放出を始めました。
ニュースなどで耳にした方も多いと思いますが、
- 「備蓄米ってそもそも何?」
- 「なぜ国が米を貯めているの?」
と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
この記事では、普段あまり聞く機会のない「政府備蓄米」について、基本的な仕組みやその役割をわかりやすく解説します。
政府備蓄米とは緊急事態に備えるお米
なぜ米を備蓄するのか?
備蓄米はどれくらい備蓄されているの?
備蓄米の保管方法と場所
備蓄米の銘柄は?
備蓄米はいつ放出されるの?
まとめ
政府備蓄米とは緊急事態に備えるお米
政府備蓄米とは、不作や価格高騰、大規模災害などの緊急事態に備えて、国があらかじめ買い入れて保管しているお米のことです。
市場の混乱を防ぎ、安定した食料供給を確保することを目的としています。
なぜ米を備蓄するのか?
日本はコメの自給率が高く、平常時は安定した供給があります。
以下のようなリスクに備えるため、国は一定量の米を備蓄しています。
- 天候不順や災害による不作
- 突発的な価格高騰
- 戦争やパンデミックなどによる物流の混乱
- 食料安全保障の観点(いざという時に食べるものがない、を防ぐ)
備蓄米はどれくらい備蓄されているの?
政府は毎年約21万トンの米を買い入れ、常時約100万トンの備蓄量を維持する「回転備蓄方式」を採用しています。
この方式では、備蓄したお米は最長5年間保管されています。
保管期限が近づいた古い米から順に飼料用や加工用として売却し、新しい米と入れ替えることで品質を保っています。
備蓄米の保管方法と場所
備蓄米は、長期保存に適した玄米の状態で全国各地に分散保管されています。
玄米は白米よりも酸化しにくく、保存性に優れているためです。
また、保管場所を分散することで、緊急時にも各地にすばやく供給できる体制が整っています。
備蓄米の銘柄は?
備蓄されるお米の銘柄は特定されておらず、一般的に流通している国産米が対象です。
たとえば、以下のような日本各地の代表的な銘柄が含まれています。
- コシヒカリ
- ひとめぼれ
- あきたこまち
備蓄米はいつ放出されるの?
備蓄米の放出は慎重に行われており、通常は市場に出回ることはありません(棚上備蓄)。
ただし、大幅な不作や急激な価格高騰が発生した場合、市場安定のために放出されます。
今回のように価格上昇が続く中で、放出されるのはまさにその例です。
まとめ
政府備蓄米は、いざという時に国民の食を守るための“安心のストック”です。
日ごろは私たちの目に触れませんが、もしもの時に確実に役立つ仕組みとして、日本の食料安全保障の柱の一つとなっています。
米の価格や流通がニュースで取り上げられる今こそ、この備蓄米の存在と役割を知っておくことが大切です。
参考文献
株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。
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