2024/12/25投稿者:スタッフ

健康日本21(第三次)分かりやすく解説!管理栄養士が知っておきたい項目

健康日本21(三次)が2024年から開始されました。

 

この記事では、健康日本21(三次)について分かりやすく解説します。

管理栄養士が知っておきたい分野についても、簡単にまとめました。

 

まだ確認できていなかった方は、最後までご覧ください。

 

ここでは簡単にまとめた内容になるので、詳細は厚生労働省「健康日本21(第三次)」をご確認ください。

 

 

目次
  • そもそも健康日本21とは?
  • 栄養・食生活について
  • 管理栄養士が知っておきたい項目
  • まとめ

そもそも健康日本21とは?

 

「健康日本21」は、厚生労働省が主導する健康づくりの政策で、日本の人々の健康を守り、向上させるための新しい取り組みです。

 

「健康日本21」は、以下のように段階的に展開されています。

2000年:健康日本21(第一次)
2013年:健康日本21(第二次)
2024年:健康日本21(第三次)

 

これまでの「健康日本21(第一・二次)」の取り組みにより、男女ともに健康寿命や平均寿命は徐々に延びてきました。

 

しかし、一部の指標(特に生活習慣に関するもの)は悪化したり、目標に達しないものもありました。

 

これを受け、2024年より「健康日本21(第三次)」が始まりました。

 

健康日本21(三次)とは?

すべての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」を目指した取り組みです。期間は令和6年度~17年度までの12年間です。

 

具体的には、「健康寿命をのばし、健康格差の縮小」を目指しています。

①誰一人取り残さない健康づくりを展開する
②より実効性をもつ取組を推進する

 

①誰一人取り残さない健康づくりを展開する

「誰一人取り残さない健康づくり」に向けて以下の内容を実施します。

 

集団や個人の特性を踏まえた健康づくり

  →性差や年齢、ライフコースを加味した取組の推進

健康に関心が薄い者を含む幅広い世代へのアプローチ

  →自然に健康になれる環境づくりの構築

多様な主体による健康づくり

  →産官学を含めた様々な担い手の有機的な連携を促進

 ※産官学とは:企業(産)と大学等(学)と政府や地方公共団体等(官)が連携して、新しい技術の研究開発や新しい事業の創出、新しい製品の開発などを行うこと

 

②より実効性をもつ取組を推進する

また、「実効性を持つ取り組み」にも重点を置き、以下の取り組みを進めます。

 

目標の設定・評価

  →エビデンスを踏まえた目標設定、中間評価・最終評価の精緻化

アクションプランの提示

  →自治体の取組の参考となる具体的な方策を提示

ICTの利活⽤

  →ウェアラブル端末やアプリなどテクノロジーを活用

 

①②の取り組みから得られる成果

①誰一人取り残さない健康づくり、②より実効性を持つ取り組み

この2つに取り組むことで、以下を推し進めます。

 

・個人の行動と健康状態の改善
・社会環境の質の向上
・ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり

 

 

これらが、「健康寿命をのばし、健康格差の縮小」に繋がっていきます。

 

栄養・食生活について

「健康日本21(第三次)」において、栄養・食生活の改善は以下を目標に掲げています。

 

①適正体重を維持している者の増加
②児童・生徒における肥満傾向児の減少
③バランスの良い食事を摂っている者の増加
④野菜摂取量の増加
⑤果物摂取量の改善
⑥食塩摂取量の減少

 

①適正体重を維持している者の増加

〔1〕 20~60歳代男性の肥満者の割合の減少:30%未満 (以下目標値)

〔2〕 40~60歳代女性の肥満者の割合の減少:15%未満

〔3〕 20~30歳代女性のやせの者の割合の減少:15%未満 

〔4〕 低栄養傾向の高齢者(65歳以上)の割合の減少:13%未満

 

②児童・生徒における肥満傾向児の減少

  • 児童・生徒における肥満傾向児の割合:今後設定予定

 

②バランスの良い食事を摂っている者の増加

  • 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の者の割合:50%

 

③野菜摂取量の増加

  • 野菜摂取量の平均値:現状281g→350g

 

④果物摂取量の改善

  • 果物摂取量の平均値:現状99g→200g

 

⑤食塩摂取量の減少

  • 食塩摂取量の平均値:現状10.1g→7g

 

管理栄養士が知っておきたい項目

  • 1日当たりの純アルコール摂取量が男性40g以上、女性20g以上の者の割合:10%へ
  • よく噛んで食べることができる者(50歳以上)の増加:80%へ
  • 収縮期血圧の平均値(40歳以上、内服加療中の者を含む。):ベースライン値から5mmHgの低下
  • LDLコレステロール160mg/dl以上の者の割合(40歳以上、内服加療中の者を含む。):ベースライン値から25%の減少
  • メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の人数:第4期医療費適正化計画に合わせて設定
  • 糖尿病腎症の年間新規透析導入患者数:12,000 人
  • HbA1c8.0%以上の者の割合:1.0%
  • 糖尿病有病者数(糖尿病が強く疑われる者)の推計値:1,350 万人
  • メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の人数:第4期医療費適正化計画に合わせて設定
  • 地域等で共食している者の割合:30%
  • 管理栄養士・栄養士を配置している特定給食施設(病院、介護老人保健施設、介護医療院を除く。)の割合:75%
  • BMI20以下の高齢者(65歳以上)の割合:13%
  • BMI18.5未満の20歳~30歳代女性の割合:15%
  • 1日当たりの純アルコール摂取量が20g以上の女性の割合:6.4%

 

まとめ

この記事では、2024年に始まった「健康日本21(三次)」について解説しました。

 

すべての国民が健やかで豊かな生活を送れるよう、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指しています。

 

具体的には、個々の特性に配慮した健康づくりや、実効性のある施策を進めることで、個人の行動改善と社会環境の向上を図ります。

 

また、栄養・食生活の改善では、バランスの良い食事や適正体重の維持を促進し、生活習慣の改善を目指しています。

 

***

 

私たち管理栄養士も、健康日本21(三次)の取り組みを意識し、日々日本の健康づくりを支えていきましょう。

 

もっと詳しく知りたい方は、厚生労働省「健康日本21(第三次)」をご確認ください。

 

 

 

参考文献

 

 

**筆者プロフィール**

株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年、管理職6年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。