2025/11/21投稿者:スタッフ

【管理栄養士が解説】夜勤時の食事の注意点|生活リズムを整えるために

看護師さんや介護の現場では夜勤が多いと思います。

 

昼間とはまったく違う生活リズムになるため、体調管理が難しく感じる人も多いのではないでしょうか。

 

特に、食事の時間帯が大きくずれてしまうことはよくあり、その影響で「胃が重い」「眠くなる」などの不調につながることもあります。

 

だからこそ、夜勤時の食事を工夫し、体への負担を減らすことは大切です。

 

そこでこの記事では、管理栄養士の視点から

夜勤前・夜勤中・夜勤後のおすすめの食事と注意点をわかりやすくご紹介します。

 

夜勤でもできるだけ快適に過ごしたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

目次

夜勤前の食事はしっかりと

夜勤中の食事は選び方に注意

夜勤後の食事は消化のよいものを

まとめ

 

夜勤前の食事はしっかりと

夜勤前の食事は、これから働くための大切なエネルギー源になります。

そのため、エネルギーとたんぱく質をしっかり確保することがとても重要です。

 

「夜だから軽くしておこう」と食事量を減らしてしまうと、勤務途中にお腹がすいて集中力が落ちたり、夜勤中・夜勤後の過食につながることもあります。

まずは、しっかり食べることを意識しましょう

 

食事の内容は、主食・主菜・副菜がそろったバランスの良い食事がおすすめです。

 

 

具体的な食品

主食

ご飯・(パン・麺類)※ 

主菜

肉・魚・卵・大豆製品など

副菜

野菜・芋類・きのこ・海藻など

※主食はご飯がおすすめ

普段は夕食を控えめにしたり、油ものを避けたりしている方も、夜勤前だけはあまり気にしすぎず、しっかり目の食事を心がけてOKです。

 

また、夜勤前に仮眠をとる人もいると思いますが、食事は仮眠の前ではなく、仮眠後・出勤前に摂るのがおすすめです。

 

寝る直前に食事をすると、消化に負担がかかり、かえって体が疲れやすくなってしまいます。

 

夜勤中の食事は選び方に注意

夜勤中、お腹がすいて軽く食事をとることもあると思いますが、夜勤中の食事は特に注意が必要です。

 

というのも、夜の21時〜深夜2時ごろはホルモンの働きによって脂肪をため込みやすく、太りやすい時間帯だからです。

 

そのため、夜勤中は「何を食べるか」がとても重要になります。

高カロリー・高炭水化物・高脂質の食べ物はできるだけ避け、血糖値が上がりにくいもの油の少ない軽めの食事を選びましょう。

 

基本は、夜勤前と同じく 主食・主菜・副菜のバランスを意識しつつ、その中でもより体に負担の少ない食品を選ぶことがポイントです。

 

目安としては、400kcal前後の軽食がおすすめです。

 

夜勤中におすすめの食品

 

具体的な食品

主食

雑穀米・麦ご飯・玄米・全粒粉パン・ライ麦パン・そば・全粒粉パスタ など

主菜

サラダチキン・ゆで卵・豆腐 など

副菜

スープ・サラダ(ノンオイルドレッシング)など

 

✖避けたい食品(NG例)

  • 砂糖たっぷりの菓子パン
  • 油分・塩分の多いスナック菓子

 

コンビニで買える夜勤中の食事セット例

夜勤中の食事は、コンビニなどで手軽に購入する方も多いと思います。

ここでは、コンビニで買える夜勤中のおすすめの食事例をご紹介します。

 

■例1:ご飯の例

・おにぎり(雑穀米orわかめ)

・サラダチキン

・具味噌汁

 

■例2:麺類の例

・山菜そば

・ゆで卵

 

■例3:パンの例

・全粒粉サンドイッチ

・野菜スープ

 

夜勤後の食事は消化のよいものを

夜勤が終わった後は、疲れていてついがっつり食べたくなることも多いと思います。

しかし、夜勤後の食事は寝る前に食べることになる場合が多いため、重い食事は避けるのがポイントです。

 

寝る前に消化の悪いものを食べると、胃腸に負担がかかり、睡眠の質や生活リズムにも影響します。夜勤後は、体に負担の少ない消化の良い食事を心がけましょう。

 

消化が良い食事とは、食物繊維が少なめで、油分控えめ、ヘルシーな内容を指します。

 

具体的には以下のような食品がおすすめです。

 

 

具体的な食品

主食

お粥、うどん 

主菜

白身魚の煮つけ、鶏むね肉、卵

副菜

煮物、温野菜、具だくさん味噌汁

 

ポイントは「軽め・温かめ・消化しやすいもの」を意識することです。

 

夜勤後の食事を工夫するだけで、睡眠の質や体調管理もしやすくなります。ぜひ取り入れてみてください。

 

まとめ

夜勤では、昼間とは大きく異なる生活リズムの中で、体調管理や食事のタイミングが特に重要になります。

 

食事の内容やタイミングを工夫することで、疲労感の軽減や睡眠の質向上、夜勤中の集中力維持にもつながります。

 

  • 夜勤前はしっかり食べる:主食・主菜・副菜をそろえ、エネルギーとたんぱく質を確保
  • 夜勤中は食べるものを選ぶ:高カロリー・高脂質を避け、軽めで消化の良いものを
  • 夜勤後は消化の良いものを:胃腸に負担をかけず、睡眠の質を保つ軽めの食事

 

夜勤だからといって食事をおろそかにせず、少し意識を変えるだけでも、体への負担を大きく減らすことができます。

 

この記事で紹介したポイントや具体例を参考に、夜勤でもできるだけ快適で健康的な食生活を実践してみてください。



【参考文献】

 

**筆者プロフィール**

株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の現場経験11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。