2024/10/17投稿者:スタッフ

セミナーレポート「正しく知ろう!健康食品~健康食品を利用するにあたっての留意点などについて~」

セミナーの概要

令和6年10月9日(水)に開催された

「正しく知ろう!健康食品~健康食品を利用するにあたっての留意点などについて~」

にオンラインで参加しました。

 

このセミナーは、近畿農政局が開催する食に関するセミナーで、

健康食品を利用する際のポイントについて学ぶことが目的です。

 

講師は、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所、

国立健康・栄養研究所の小堀真珠子さんです。

 

健康食品を利用するにあたっての留意点などについて

健康によい食生活とは

・健康食品を利用する上でバランスの良い食生活が基本

・バランスの良い食生活は循環器疾患による死亡リスクが低下する

・具体的に食生活のバランスをよくするには …

 ①野菜・果物の摂取量を増やす

 ②の摂取を増やし、肉の摂取を減らす

 ③の摂取を減らす

 ④大豆製品・乳製品・緑茶の摂取を増やす

 

健康食品とは

・健康食品には定まった定義はない

・保健機能食品以外の食品がいわゆる「健康食品(=一般食品)」

 

保健機能食品(機能性を表示できる)とは

 医薬品とは異なり、疾病の治療や予防のためのものではない。

 バランスの取れた食生活を基本とした上で、

健康の維持増進に役立てるための食品。以下の3つがある。

  ①特定保健用食品:国が安全性と機能性を審査して、消費者庁が許可

  ②栄養機能食品:国が定めた表現を表示。(ビタミン・ミネラル等。届出不要

  ③機能性表示食品:消費者庁へ届出。(審査はなく、許可されたものではない

 

・いわゆる「健康食品」には、サプリメント、栄養補助食品、

健康補助食品、自然食品などと呼ばれるものがある。



健康食品を利用するにあたっての留意点

・保健機能食品や、いわゆる「健康食品」は医薬品ではない
バランスの取れた食生活を基本として、健康の維持増進に役立てるための食品。

 

疾病にかかっていない方を対象とした食品。

 

・「食品」であっても安全とは限らない。
保健機能食品には1日あたりの摂取目安量・摂取方法・注意事項などが記載されている。表示を確認して摂取量を守る。

 

錠剤・カプセル状等のサプリメントでは
成分が濃縮され過剰摂取に繋がりやすいので摂取量に注意

 

体調に異変を感じたらすぐに使用中止する
(紅麹では報告が遅くなったことが原因として挙がっている)

 

・体調に異変を感じたら…

 ①健康食品の使用をすぐに中止

 ②体調がよくなったら健康食品が原因かも

 ③保健所や健康食品の販売元に連絡

→今回の件をうけて、機能性表示食品の事業者などは、
健康被害の情報を速やかに都道府県及び消費者庁に
提供することが義務化された(令和6年8月~)

 

・健康被害があった健康食品には違法に医薬成分が加えられたものも多くあった(無承認無認可医薬品)

 →インターネットなどを利用して海外から個人輸入した製品に注意

 →ダイエットや強壮を謳った製品に注意

 

・病気の心配や薬を飲んでいる方が健康食品を利用する場合は、
医師・薬剤師・アドバイザリースタッフにまず相談する。



セミナーを受けての感想

今回のセミナーを受け、保健機能食品やいわゆる「健康食品」の違いについて、
自分自身の理解が曖昧だったことに気づかされました。

管理栄養士として学んだ内容であっても正確な理解が出来ていなかったため、
一般の方々は、とくにこれらの違いを分かりにくく
感じているのではないかと感じます。

 

健康食品は、その名前から「安全」と連想してしまうことが多いです。

しかし、最近の紅麹の件のように、健康被害がある場合もあります。

医薬品と同様の効果を期待しがちですが、
医薬品とは異なることを理解し、正しい使用方法を守ることが重要です。

そのためにも管理栄養士は、正確な情報を提供する責任がある
ことを実感させられました。

 

紅麹に関連する健康被害が報じられたことから、
健康食品の安全性に対する関心が高まっています。

日々の食事がバランス良く整っていれば、健康食品に頼る必要はありません。

この機会を通じて、バランスの取れた食事の重要性を広めることに力を入れ、
管理栄養士としての役割を果たしていきたいと感じてました。

 

 

筆者のプロフィール

株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の正社員勤務11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年、管理職6年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、
その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。