2024/09/20投稿者:スタッフ

セミナーレポート「 ランチ形式で学ぶ在宅での食支援~トリプル改定 医療・介護・在宅のポイント!~」

セミナーの概要

令和6年9月13日(金)に開催された

「ランチ形式で学ぶ在宅での食支援~トリプル改定 医療・介護・在宅のポイント!~」にオンラインで参加しました。

 

このセミナーは、令和6年に改定された医療、介護、障害福祉の3つの分野の報酬改定の内容を紐解きながら、栄養連携、在宅での摂食・嚥下困難者向けの栄養管理について学ぶことが目的です。

 

以下のブログラムが行われました。

  • 第1部「令和6年度トリプル改定における医療と介護の連携」
  • 第2部「令和6年度トリプル改定における在宅栄養管理」

 

講師は、武庫川女子大学の馬場正美先生です。



第1部「令和6年度トリプル改定における医療と介護の連携」

報酬改定の背景には、医療と介護の複合ニーズが一層高まることが見込まれていることがあります。

 

院基本料等の見直しがあり、栄養管理体制の基準の明確化がもうけられました。これにより、管理栄養士の役割が重要視されていることが分かります。

 

医療と介護における栄養情報連携の推進も大きな特徴の一つです。

より早期からの栄養介入と、患者に合った食形態を提供するために紙のやり取りだけでなく相互の連携が重要視されています。

 

診療報酬改定は詳しくはこちら>>管理栄養士が知っておきたい令和6年診療報酬改定の内容

 

 

第2部「令和6年度トリプル改定における在宅栄養管理」

訪問栄養指導は訪問回数が多いほど疾患などが改善する在宅高齢者は多いです。

 

今後、訪問栄養食事指導を充実させるためには、

管理栄養士が配置されている在宅療養支援病院在宅療養支援診療所

管理栄養士が所属する地域密着型の拠点である栄養ケア・ステーション

などの活用も含めた体制整備を行うことが求められます。

 

 

症例紹介1

・透析導入の可能性を指摘された男性


⇨妻が長期的に継続できるよう総菜を使用した食事改善方法を提案。

7年後も透析導入はなく、腎機能を維持できた。

 

 

症例紹介2

・右片麻痺がある胃ろうと経口の女性

⇨経口摂取量を増やすことを目標に、嚥下調整食の献立を作成し家族に指導
経口摂取量が増えたことで2年後には体重の増加と握力の回復へ繋がった。

 

課題と展望

令和6年度の改定により、適切な栄養管理を提供できるシステムの構築がより進み、多職種と協同してサービスの連携と統合が求められています。

医療、介護、福祉、地域で、まずできることは何かを考え、形にしていくことが必要です。



セミナーを受けての感想

令和6年度の報酬改定では、管理栄養士の役割が一層重視されていることが分かりました。栄養情報連携加算や在宅訪問栄養食事指導の算定要件など多くの算定が可能となったことから、それぞれの管理栄養士が自分にできることを考え、行動に移すことが求められます。

 

とくに印象に残ったのは、在宅訪問の実際についてです。管理栄養士が在宅でどのように支援を行っているか、またその具体的な活動内容について学ぶことができました。

 

在宅訪問では、患者本人だけでなく、家族や介護者の負担を軽減し、持続的なサポートを提供する提案が求められます。管理栄養士が関わることで、栄養状態の改善や健康維持に大きく貢献していることを知り、その重要性を改めて実感しました。

 

病院での関わりだけでは、退院後の患者さんの経過を追うことができませんが、在宅訪問での長期的な介入により、一人ひとりの健康維持に大きな影響を与えることが分かりました。

 

 

 

管理栄養士はこれまで加算が取得できる業務が少ないイメージがありましたが、今回の改定によって加算の機会が増え、今後さらに活躍の場が広がると感じました。

 

実践においては、それぞれの管理栄養士が「どう行動するか」をしっかり考え、工夫していくことが大切だと気づかされました。

 

今回のセミナーを通じて、報酬改定と在宅訪問について理解を深めることができ、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。

 

 

 

 

筆者のプロフィール

株式会社メディカルフロンティア 専属ライター(管理栄養士)
▼管理栄養士の正社員勤務11年
▼栄養指導3年、調理現場3年、献立作成5年、管理職6年
これまで病院に所属し、主に栄養管理や献立管理を担当してきました。
栄養士コラムは自身の経験も踏まえ、その他、転職や業界情報などみなさんの役に立つ情報発信を行っていきます。